静岡市建設業担い手確保・育成事業ホームページ「きて!みて!さわって!建設NOW」

女性の活躍

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今、建設現場では女性の皆さんが活躍しています。
実際に活躍している皆さんから、現場の様子・やりがいなどを紹介します。

この仕事に就いたきっかけは?

将来は大きいものをつくる仕事がしたくて、大学は土木系の学部でした。当時は、鉄筋を組んでそれを壊したりするような実験もやっていたので、いずれはスタジアムの建設や橋をつくるような会社に就職できたらと考えていた時期もあります。
卒業後は、両親の勧めもあり、公務員へ。以前は、他県の水道局で4年間働いていましたが、主人の地元が静岡なので、13年ほど前に静岡市へ移住。静岡市の採用試験を受け、上下水道局に配属になりました。現在所属する経営企画課以外にも、水道工事の設計や監督、漏水などの事故対応をしたり、水道地図情報システムの管理をしたりするなど、いろいろな課で経験を積んできました。

主に静岡市内の水道の施設配置を決める仕事をしています。今は、経営企画課というところに所属しており、老朽化した水道施設を新しくするためや、災害に強い水道施設にするための投資と収入のバランスを考える仕事をしています。住民の皆様からの水道料金で成り立っているので、なぜ新しくする必要があるのかなどの説明ができるよう、資料等の準備をしたりもします。
静岡市の水道事業は、あと10年で給水開始100周年を迎え、市内の水道施設の多くが老朽化の問題を抱えています。水道施設とは、水道管、浄水場、ポンプ場、配水池などのこと。静岡市は、現在、少しずつ人口も減ってきているので、人口に合わせて不要な施設をなくし、ほかの施設に機能移転等をしていきます。

実は、静岡市内だけでも年間1,000件以上の漏水等の事故が報告されています。9月の台風では興津川が氾濫し、この川から水を取っている施設や水管橋が被災してしまいました。地震や豪雨、渇水などの自然災害や停電・通信障害などさまざまなリスクに備えることも、老朽化対策に併せて進めていく必要があります。
予算は限られているので、一度に全てを新しく、頑丈にすることはできません。それぞれの施設の持つリスクや市民生活への影響の大きさなどを参考に、どの施設を優先的に新しくするのか、どの施設をしっかり強くするのか、取捨選択するのも私たちの仕事です。バランスをとっていかなかいと、水道料金の大幅な値上げにつながってしまうので、できる限り、そうはならないように調整するのはとても難しい部分ではあります。

水道はずっと使い続けるもので、作って終わりではない部分が一番面白い部分だと思います。それから、水道が止まると場合によっては生死に関わる大問題に。今回の台風の断水でも、多くの方の生活に深刻な影響を与えてしまいました。それだけにとても大事な仕事なのだという重責を痛感しています。
ちなみに、私には小学生の子どもがいるのですが、水道の仕事にとても興味を持ってくれていて、「蛇口から水を出すために、お母さんがこんなに頑張ってくれているんだ」と思ってくれているみたいです。嬉しくなりますね。そんな子どもの様子を見ていると、水道の仕事を伝えることも大事なのだなと実感しています。

最近では、小学生から大学生、新採用職員などに水道のしごとの魅力を伝えるため講師として呼んでもらうこともあります。台風後には、断水が最も長く続いてしまった地域で小学生の疑問に答える講座を開催しました。
台風の時に、「なぜ断水していて、いまどのような作業を進めていて、どのくらい時間がかかりそうか」という大事な情報が市民の皆さんにうまく伝わらず、そのために不安や不信感を与えてしまいました。
同じように断水になったとしても、この部分がしっかり伝わっているかどうかで、全然感じ方が違ったと思います。本当は、台風の対応中に説明できれば一番良かったのですが、いったい何が起きたのかを水道事業者として直接しっかり伝えて、市民の疑問に答えていくことが今とても大切で、私にできることだと思っています。

土木施工管理技士の資格は取得しており、上下水道局内でも持っている人が多い資格ですね。この資格は、水道に限らず土木工事の現場監督をするのに必要な資格です。
現在は、経験年数が7年以上必要な、技術士の上下水道部門の資格取得に向けて勉強中。国家資格で、難易度も高い資格。上下水道局内でも、上水道の科目で取得している人は1名しかいないので、頑張って取得したいなと思っています。

水道は、暮らしに密着しているので、女性にこそぜひ携わって欲しい仕事だと思っています。街を守っているような感じがして、私はその部分にやりがいを感じています。実際、水道工事をお願いしている工事会社からも、「水道の仕事は女性に向いているので、もっと女性の担い手を増やしたい」という声が上がっているほどなんですよ。

上下水道局の仕事に限らず、水道の仕事に興味を持ってもらえたら嬉しいなと思います。水道工事の仕事であれば、今、埋めてある交換が必要な水道管は40~90年前のもので、新しくすると、今後100年ほど使うことになります。そんな未来のことを想像しながら仕事をすると、ちょっとワクワクしてきますよ。

(取材日:2022年10月)

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